子どもの親権をめぐる問題
近年、国際結婚のカップルが増えています。そうした流れは日本と韓国の間も同様で、当館の領事部窓口にも日韓カップルの婚姻届やお子さんの出生届のために来訪される方がたくさんいらっしゃいます。
しかしながら、その一方で諸外国の例をみると、結婚生活で困難に直面した際に、国籍の異なる父または母のいずれかが居住地の法律に反し、もう一方の親の同意無しにお子さんと一緒に海外に出国することで、「子の連れ去り」として問題になるケースも発生しています。
結婚生活が困難となり、離婚に直面する事態となった際には、将来にわたりお子さんの養育と監護をどちらが行うのかなどの問題が常に発生します。
ここでは、国際結婚をして韓国に居住し、お子さんがいらっしゃる日本国籍を有する皆さんのために、お子さんとの関係、お子さんを連れての移動、旅券や帰国のための渡航書申請等について留意点を整理します。
● 国際的な子の連れ去り問題について
<パンフレット>外務省:「ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)を知っていますか?」(PDFファイル)
<詳細説明>外務省ホームページ:わかる!国際情勢「Vol.82 子の連れ去りをめぐる「ハーグ条約」と日本」
● お子さん(未成年者)の旅券等申請について
日本国の在外公館では、旅券法に基づき、お子さん(未成年者)の「旅券・帰国のための渡航書」申請を受ける際、申請書内の「法定代理人署名」欄に父か母(法定代理人)のどちらか一方に旅券等の発給に同意する旨の署名をしていただいています。
これは、通常、一方の親の署名をもって、もう一方の親も同意していると推定されるからです。
しかし、一方の親から旅券等の発給に同意しない旨の意思表示がなされた場合には、有効な父母(法定代理人)の同意が存在しないことになるので、そのお子さんの旅券等の発給はできなくなります。 したがって、父母のいずれかから旅券等の発給について不同意の意思表示がなされた場合には、旅券等の発給に反対する親が、そのお子さんの親権者であり、その旅券等の発給に同意が必要な者か否かを確認し、親権者であることが確認された時には、さらに父母の意向を確認した後、旅券等を発給するかどうか決定することになります。
この場合は、旅券等の申請時に、もう一方の親が作成した「旅券(帰国のための渡航書)申請同意書」(形式自由)をご用意いただくこととなりますので、ご注意ください。
● 家庭問題に関する相談について
日本人の親の中には、外国人の相手の方とのコミュニケーション・ギャップや価値観の違いによるストレス、虐待など深刻な事態に直面した場合の戸惑い、外国における孤独感などから、お子さんと一緒に日本に帰ってしまおうと思われる方もいらっしゃるかと思います。
当地には、家庭の問題、虐待に対する人権の面からの対応を行っている団体及び機関が多くあり、中には日本語で対応してくれる機関もあります。
問題の兆候が見え始めたら、一人で悩まずに、早めに各種団体・機関や周囲の人にご相談されることをお勧めします。
<韓国国内の主な公的相談機関>
運営:韓国女性家族部
電話:1577-1366
URL:https://liveinkorea.kr/portal/main/intro.do
日本語対応:可
アプリ(다누리Danuri)あり
■韓国移住女性人権センター
運営:社団法人韓国移住女性人権センター
電話:02-3672-8988
URL:http://www.wmigrant.org/wp/
日本語対応:不可
■済州移住女性相談所(家庭内暴力、性暴力、性売買被害移住女性・子供に関する相談及び支援等)
運営:社団法人済州外国人平和共同体
電話:064-722-6242
URL:http://www.jccwm.co.kr/index.php
日本語対応:不可
■済州特別自治道児童保護専門機関
運営:社団法人済州相談センター
電話:064-712-1391~2
URL:https://1391child.or.kr/index.php
日本語対応:不可
■西帰浦市児童保護専門機関
運営:社会福祉法人イェサランウォン
電話:064-732-1391
URL:https://sgp1391.org/
日本語対応:不可
■済州市家族センター
運営:韓国健康家庭振興院
電話:064-725-8005
URL:https://jeju.familynet.or.kr/center/index.do
日本語対応:不可
■西帰浦市家族センター
運営:韓国健康家庭振興院
電話:064-732-6482
URL:https://seogwipo.familynet.or.kr/center/index.do
日本語対応:不可
■外国人総合案内センター
運営:韓国法務部出入国外国人政策本部
電話:1345
URL:https://www.immigration.go.kr/immigration/1530/subview.do
日本語対応:可