韓国では「蕎麦」といえば、当然済州道!…ですよね?済州の蕎麦料理!

2021/10/27
   
 

済州の「五穀」のひとつ、観光にも貢献している「蕎麦」

 日本では、といえば、麺類の代名詞となっているほど、親近感のある穀物です。 
 火山性の土壌で、米作にあまり向いていないとされる済州においても、蕎麦は昔から、貴重な穀物として愛されてきました。済州に昔から伝えられる神話でも、蕎麦は「五穀」のひとつに数えられてきたものであるとされるほどです。そういえば以前、きじを食べた際にも、馬肉を食べた際にも、シメは蕎麦の料理でした。済州道は生産の面でも、特に2010年以降はほぼ毎年、で最大の生産量を誇っていますし、季節になると咲き誇る畑の白い花は、済州の光資としても一役買っています。
 
  なんですが、いつも大変お世話になっている梁文碩(ヤン・ムンソク)済州商工会議所・済州道韓日親善協会会長に蕎麦のお話しを伺うと、ちょっとご不満のご様子。というのも、韓国の国語の教科書には、『蕎麦の花が咲く頃』という、江原道(カンウォンド)の蕎麦のお話しが昔から掲載されてきており、その結果、韓国では蕎麦といえば済州ではなくて江原道、というイメージが定着してしまっている、というのです。
 

済州の蕎麦料理を味わう

 お話しを伺うに、済州道民として、済州道商工会議所会長として、ご不満を感じられるのは至極ごもっともです。ということで、今回、井関至康総領事は、梁文碩会長の積年の恨みを晴らすべく、同会長にご一緒いただき、改めて済州の蕎麦料理を紹介することになりました。
 

△今回訪れたのは、西帰浦市安徳(アンドク)面、漢拏山南麓の山中の集落・広坪(クァンピョン)里にある、蕎麦料理のお店「漢拏山アレチョッマウル(漢拏山の下の最初の村)」。地元の蕎麦農家の皆さんが協同で経営しておられる店で、近年、済州への観光客が行列して訪れる人気店になっています。この広坪里で生まれ育ったカン・サンミン営農組合法人代表がお迎え下さいました。
 

△この広坪里は、カン代表が学生だった頃までは本当の山里で、子ども達が小学校に通うのもひと苦労だったということで、村に代々伝わる蕎麦で観光客がこんなに訪れるようになるとは想像もできなかったということです。さらにお話しを伺うと、下記のような日本との交流の機会等も通じて、お店での蕎麦の加工調理の研究を進めてこられ、様々な機械も日本から取り寄せて使っておられるということでした。済州と日本との交流が、意外な形で、済州の山里の村おこしにも貢献していたのでした!
 

済州の蕎麦のすいとん「メミルチョベギ」


△まずは、蕎麦のすいとんを、大根や鰯の汁で煮込んだ「メミルチョベギ」。済州の伝統料理です。
 

済州の蕎麦を使ったマンドゥ


△蒸し餃子のような料理・マンドゥは、韓国の他の地方では主に小麦の皮で作りますが、済州ではやはり蕎麦の皮。蕎麦の香りが香ばしく漂い、なかなか美味しいです。
 

済州の蕎麦を使ったチヂミ「メミルヂョン」


△日本でよく言う「チヂミ」ですが、済州ではやはり蕎麦で作ります。蕎麦の香ばしい風味がたまりません。  
 

済州の蕎麦の混ぜ麺も!


△済州の伝統的な食べ方という訳では必ずしもないようですが、このお店のスペシャリティの混ぜ麺「ビビジャンジャン」も食べてみました。「ビビジャンジャン」というのは、済州の方言で、子どもがのびのびと落書きをする様子を示す擬態語ということですが、日本でいうと「勝手丼」の混ぜ麺版的なイメージでしょうか。蕎麦の麺に、ごまや大根が絡みます。
 

済州の蕎麦を使った伝統料理「ピントク」


△お店のメニューではありませんが、済州の伝統的な市場を訪れると、必ず売られている名物が、この「ピントク」。蕎麦粉の皮の中に、千切りの大根等の野菜が包まれています。蕎麦と大根の素朴な組み合わせを、熱々のまま立ち食いして味わいます。
 

蕎麦でお酒も造りました!


△営農組合では、蕎麦を用いた各種商品の開発にも取り組んでおられます。お酒についても、済州島内の蒸留酒業者さんと協力して、蕎麦焼酎を商品化しておられます。蕎麦の香りがふわっと漂い、日本の一般的な蕎麦焼酎と比べると度数は40度と高いですが、味わいはすっきり飲みやすいです。
 

蕎麦生産量日本一は済州道の友好協力都市「北海道」~日本との交流もやってます!


△蕎麦は古来から日本で食べられ、日本各地で栽培されていますが、日本の麺文化はどちらかというと東日本が蕎麦、西日本がうどんが強いという感じがあり、生産量が多い都道府県もやはり東日本の方が多いようです。その中で、蕎麦生産量日本一を誇るのが、済州道の友好協力都市である北海道。特に中央部の幌加内町は、市町村単位での生産量全国1位の常連です。広い北海道は農産物全般について生産量が多いですが、特に蕎麦については、1日の寒暖差が激しい気候が、生産の上で大きく貢献しているようです。
 

△その北海道幌加内町、実は2016年11月には広坪里の関係者を含む済州蕎麦育成事業団の皆さんが訪問しておられました。というのも、2015年9月、日本の一般社団法人 全麺協の皆さんが広坪里を訪問し、「済州伝統の蕎麦料理体験」として済州伝統の蕎麦料理の試食会に参加。続いて2016年11月には全麺協の皆さんが再度日本から済州に来訪し、日韓中蕎麦文化交流のイベントで蕎麦料理を振る舞い、大好評を博したそうです。そしてそれに続いて、同じ月に済州蕎麦育成事業団の皆さんが訪日し、日本最大の蕎麦産地である幌加内町と東京を訪問し、全麺協の皆さんと交流されたということです。上記のとおり、広坪里の皆さんは、こうした日本との交流の機会も通じ、蕎麦料理のお店のノウハウも研究してこられたということです。蕎麦を巡る済州と日本のご縁、ながーい蕎麦麺を通じて、我々が伺う前からすでにつながっていたのでした…!
 

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