済州の夏の風物詩「ハンチ」とは?佐賀県唐津市の名物「呼子のイカ」との深い縁

2021/8/20


 済州島の夏の風物詩として知られる「ハンチ」。韓国では、「ハンチ」と言えば夏の済州、というのが通り相場なんだそうです。ところで「ハンチ」とは、一見するとイカの一種のようなんですが、いったいどういう魚介類なんでしょうか?

済州のハンチは「剣先イカ」、韓国本土のハンチは「ヤリイカ」

 日本でも韓国でも、海産物の名前は、地方によって違ったりすることも多く、大変ややこしいのですが、よくよく調べてみると、済州の「ハンチ」は「剣先イカ」。済州道の西帰浦市の姉妹都市、佐賀県唐津市の名物で、日本でも美味で名高い「呼子のイカ」も、夏場は済州の「ハンチ」と同じ種類である剣先イカを用いるということです。なお、韓国本土でも「ハンチ」と呼ばれているものがあるそうですが、こちらは「ヤリイカ」ということのようです。
 このように、済州名物の「ハンチ」は、日本では食べるけれど、韓国の本土ではあまり見かけないという食材。しかも、佐賀県唐津市と西帰浦市の姉妹都市も関係ありということで、二重のご縁があることが判明しました!

魚市場で済州のハンチ料理を堪能!

 ということで、井関至康総領事は、済州のハンチ料理を確認すべく、金泰煥(キム・テファン)済州特別自治道元知事と、済州の水産業にもお詳しい高有峰(コ・ユボン)済州大学海洋学科元学長にご一緒いただき、済州市内の水産業協同組合の魚市場に向かいました。




△まずは市場の水槽で、ハンチを選びます。そして、捌いて調理していただいたものを、隣接する食堂でいただきます。


△新鮮な魚介類は、やはりお刺身でいただきたいのが人情というのは、済州でも日本でも同じです。市場メシということもあって、大変豪快なブツ切りの刺身で、生まれも育ちも済州というお二人もびっくりしておられました。食べ応え十分です。なお、わさび醤油は日本と一緒ですが、こちらでは酢コチュジャンも出てきます。


こちらは済州の郷土料理「ムルフェ」。ハンチをはじめとする刺身を、きゅうり等の刻んだ野菜とともに、味噌やコチュジャンを入れて冷たいスープに仕立てた料理です。


済州の皆さんも、ハンチを焼いたり炒めたりするのはもったいないという感じがあるそうで、基本は刺身で食べるということなんですが、済州市内には、ハンチに辛めのタレを手でつけ込んで鍋でいただく料理「チュムルロク」の名店も存在します。写真は、なんとハンチと豚肉を一緒に鍋にした料理です。


済州の夏の夜の海に浮かぶ、ハンチ釣り漁船の光。幻想的で、なかなか素敵な光景です。(写真提供:済州観光公社)
 なお、海釣りが盛んな済州では、ハンチ釣りは、漁民の皆さんに限らず、釣りの愛好家や観光客の間でも人気が高いアトラクションということです。


こちらは、佐賀県唐津市の名物、「呼子のイカ」です。呼子のイカがおいしい理由のひとつは、きれいな海水にあるとのことですが、そもそも唐津市と西帰浦市の姉妹都市の縁は、1991年に西帰浦市の代表団が下水道施設の視察のため唐津市を訪れたのが発端だったそうです。1991年当時と比べると、済州道は人口も観光客数も爆発的に増えており、済州のきれいな海、そして済州のハンチの味を守るためには、下水道の普及が必須条件だったのは間違いないところですが、その出発点の一つに西帰浦市と唐津市のご縁があったというのは、大変興味深い歴史の一コマです。(写真提供:唐津市)
 

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