徐明淑(ソ・ミョンスク)済州オルレ理事長と歩くオルレ第10コース

2020/10/7


 井関至康総領事は、徐明淑(ソ・ミョンスク)済州オルレ理事長らと、オルレ第10コースを歩きました。
 

済州発祥の「オルレ」とは?

 「オルレ」とは、済州の言葉で、通りから家につながる狭い道のことです。

 「済州オルレ」は、済州道出身で気鋭のジャーナリストとして名を馳せた徐理事長が、フランスからスペインに通じる「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」を踏破したことを機に、故郷の済州道の自然と文化を満喫できるトレッキング・ロードを作ろうと思い立ったのが始まり。今では30近いコースが、済州島をほぼ1周し、離島もカバーするに至っています。

 済州観光の目玉の一つになっているだけでなく、維持・補修からゴミ対策に至るまで、地元の住民の皆さんや行政当局も積極的に関与し、四国のお遍路さんのように、地元が支えるシステムとして成立しているのが大きな特徴です。



 また、こうした取組は、日本でも観光振興の観点から注目され、済州オルレの支援を受け、まずは九州オルレの取組が始まり、さらには宮城オルレも誕生する等、地方創生や災害復興の一助ともなっています。

 徐理事長は、こうした取組が評価され、平成30年秋には旭日双光章の叙勲を受けるに至っています。
 

済州オルレ第10コースを歩く

 今回歩いたオルレ第10コースは、済州島の南西部を東から西に歩く約15キロのコース。この日は、一部区間約7キロを西から東に歩きました。

 済州オルレの中でも高い人気を誇るというこのコースは、済州随一の景勝地の一つ・松岳山(ソンアクサン)や特徴的な形の岩山・山房山(サンバンサン)、海の向こうには韓国最南端の馬羅島(マラド)まで見渡す、風光明媚なコースです。同時に、今も残る旧日本軍の施設の痕跡や、韓国独立後の悲劇である済州4・3事件の現場も歩く、現代史を振り返る道のりでもあります。



 日本では毎年、終戦記念日の8月15日が近づくと、日本各地に残された旧日本軍の施設のことが報じられますが、九州にほど近い済州においても、この第10コースを歩けば、一面に広がる畑の中に、旧日本海軍の飛行場(地元ではアルトゥル飛行場と呼ばれています)の掩体壕(えんたいごう)が点在している風景に出会うことになります。

 また済州では、ここ以外にも、海岸部から、島の中央に鎮座する漢拏山(ハルラサン)の山中に至るまで各地に、旧日本軍が本土決戦に備えた「決号作戦」の一部である「決7号作戦」に則して構築した防衛陣地等が今も残されています。

 ここに残された過去の痕跡からしても、なかなか一筋縄ではいかない日韓関係ですが、いずれにしても、両国とも平和の中で繁栄を続けていくために、隣国として手を携えるところは携えていかなければいけません。のどかな景色を見ながら、絶景を楽しむ観光客の皆さんを見ながら、また徐理事長らのご案内を受けて、済州オルレというシステムそのものが、世の中が平和であることを前提とするものであることを思いながら、平和のありがたみをしみじみ感じました。
 

オルレ第10コースの視察フォト


△アルトゥル飛行場の跡地。一面に広がるのどかな田園風景の中に、旧日本軍の軍用機の掩体壕(えんたいごう)が点在します。遠くに山房山が見えます。


△地下掩体壕は登録文化財として保存されていて、中に入ることもできます。掩体壕は、登録文化財として保存されるようになる前は、地元の農家の皆さんが収穫物や農機具を置くのに使っていたとのことです。


△コンクリートの構造物は、飛行場の管制塔の跡と言われています。


△美しい海を眺めてひと休み。


△風光明媚な松岳山(ソンアクサン)から。海の向こうには、加波島(カパド)、韓国最南端の馬羅島(マラド)も見渡せます。


△松岳山の崖下には、先の大戦末期、米軍の襲撃に備え、旧日本軍が特攻兵器の発進拠点として掘ったとされる洞窟が残されています(現在は立入り禁止になっています)。そこで「チャングムの誓い」の一場面が撮影されました。旧日本軍が掘った洞窟で撮影した韓国ドラマが、日本で好評を博したという歴史そのものが、日韓関係の複雑さを示しているような気もします…。

 

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