【コラム】2021年春、済州のミュージックシーンがアツい…!ついに来た「済流」の波にも、日本とのご縁が?バンド「South Carnival(サウスカーニバル)」とミス・トロットの梁支銀(ヤン・ジウン)さん!

2021/3/26

 
 当館としては、この「済州と日本のちょっといい話」を通じて、済州と日本のご縁を紹介しょうと取り組んできています。結構いい話も掘り起こせていると思ってはいるんですが、実は悩みが一つありました。済州は、日本の若い世代にも人気があるような、韓流コンテンツがあまりありません。かつ、「日本と関係有り」という縛りがあるので、これまで紹介できた韓流コンテンツと呼べるものは、ドラマ「チャングムの誓い」を旧日本軍が掘った洞窟で撮影したという話と、「ヨン様」のろう人形、映画「シュリ」のラストシーンで有名なベンチしかありません。
 

日本との深い縁あり!済州を代表するバンド「South Carnival(サウスカーニバル)」

 ということで、なんかいいネタ無いかな~と思っていたら、ありました!済州を代表する10人組のワールドミュージックバンド「サウスカーニバル」。そのリーダーでボーカルとギターを担当する康景煥(カン・ギョンファン)さんが、日本で発売したシングル「カジマプソ(Don't Leave Me)」が、2021年春に日本の韓流チャートで上位にランクインしたと、わざわざ当館を訪ねて来て下さいました!「サウスカーニバル」は、2019年2月には札幌の雪祭りで演奏する等、これまで何度も日本で活動していますが、康景煥さんが初めて訪日したのは、大学生だった2008年当時、なんと当館主催の済州青年訪日研修団に参加した際とのこと。当館ともご縁がありました!

 訪日研修団では、日本の大学生の音楽文化をはじめ、大いに刺激を受けたそうです。その2008年に「サウスカーニバル」を結成。リゾート地・済州の平和な雰囲気を、ジャマイカ発祥のスカをはじめとするラテンのリズムに乗せ、ゆったりとした楽しい音楽を展開してきています。さらに、歌詞といえばほとんど標準語という韓国のミュージックシーンにあって、歌詞がすべて済州語!新曲の「カジマプソ」も、済州語で「行かないで」という意味ですが、済州語は、韓国語でも独自性が強く、本土(陸地=ユクチ)の人でも聞き取りが難しいとされています。聞くと、スカつながりの「東京スカパラダイス・オーケストラ」に加えて、沖縄出身で「うちなーぐち(沖縄の言葉)」の歌詞も駆使する「モンゴル800」の影響も大いに受けているとのこと。「韓流」でも極めて貴重な済流」サウンドです。


△10人組のスカバンド「サウスカーニバル」。こんな感じでライブをやっておられます。


△「サウスカーニバル」がこれまでに世に出した、アルバムCDです。

 ご他聞に漏れず、新型コロナの影響で、イベント等で引っ張りだこだった「サウスカーニバル」も活動の機会が大幅に減少。ところが、今回の「カジマプソ(Don`t Leave Me)」は、インディーズにもかかわらず、日本の韓流チャートで、メジャーレーベルを押しのけてチャート上位に食い込む健闘を示し(しかも不思議なことに、なぜか韓国でよりも売れているそうです)、バンドも大いに盛り上がっているということです。
 

ミス・トロットのチャンピオンと日本との意外な関係・・・!?

 そして、もう一つ、新たな展開が!韓国で近年大変人気が高い、国民的TV番組「ミストロット」。2021年3月4日の放送で、済州島・翰林(ハルリム)邑出身の梁支銀(ヤン・ジウン)さんが、2代目のチャンピオンに選ばれました!地元・翰林邑では「翰林の娘」の快挙に、大変盛り上がっています。ちょっと説明すると、「トロット」とは日本で言う「演歌」のこと。歌手志望者らが技を競い、専門家の採点と、携帯を通じた視聴者による投票で、優勝したらプロデビューできる、というコンテスト形式の番組で、男性版の「ミスター・トロット」の人気を受けて、女性版の「ミス・トロット」も放映されるようになりました。韓国では、この番組により、空前の演歌ブームが巻き起こっています。


△梁支銀さんの「ミス・トロット」優勝を受けて、済州道の新聞は連日、祝賀広告をでかでかと掲載しています。


△地元・翰林でも、あちこちに横断幕が掲げられ、快挙をお祝いしています!

 しかし、日本とは何か関係があるんでしょうか…?

 実は、梁支銀さんは、大学院で音楽を学んでいた当時の2016年9月、奈良市で「東アジア文化都市2016奈良」の一環として行われた野外音楽フェスティバル「春日野音楽祭」で、済州の民謡をはじめとする韓国の伝統的な歌を披露していました!日韓中文化大臣会合において、毎年国毎に選定される「東アジア文化都市」は、各都市での現代の芸術文化から伝統文化、また多彩な生活文化に関連する様々な創造的なイベント等を実施するという試みですが、その枠組みで、済州道は日本の奈良市(と中国・寧波市)とともに、さまざまな文化交流を行ってきています。済州道からプロとしてデビューする歌手が、プロデビューに先だって、日本の古都で公演していたとは、驚きです!


△「春日野音楽祭」で熱唱する、当時の梁支銀さん。「東アジア文化都市2016」に関する済州道庁の資料にも、写真と当時の新聞記事が出ていました。

 さらに梁支銀さんが生まれ育った翰林邑といえば「翰林公園」。故・司馬遼太郎氏の『耽羅紀行』にも登場する、元祖・済州島の観光施設ですが、なんと梁支銀さんは、創業者にして済州道社会のレジェンド、宋奉奎(ソン・ボンギュ)元済州道韓日親善協会会長会長の甥御さんのお嬢さんだということです!しかも梁支銀さんのご両親(お父さんが宋奉奎会長の甥御さんです)はともに翰林公園に勤務され、そこで出会って結婚された「第1号社内カップル」。梁支銀さん自身も、学生時代には翰林公園でアルバイトをしていたとのことです。今に至るまで、宋奉奎会長に大変お世話になってきている我々総領事館員にとっても、ほとんど身内のような存在だったのでした!
 
 以上、2021年春、済州のミュージックシーンは、日本とも大いに関係あり、という新たな展開を示しています。今後とも「済流」の波、要注目です…!
 

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