済州グルメVol.9「コギククス(肉麺)」~豚骨ラーメン効果で観光客の人気上昇、済州と日本の音楽交流の栄養源にも

2022/4/25


 済州の麺料理といえば、豚骨ラーメンのような濃厚な豚ベースのスープ、そして麺の上に茹でた豚肉=スユクが載った「コギククス(肉麺)」。「西帰浦菜の花国際ウォーキング大会」を紹介した際、済州の皆さんから「韓国本土で日本の豚骨ラーメンが人気になった結果、その味に慣れた観光客が、済州に来たらコギククスも楽しむようになった」というお話しを伺うことがあることも紹介しました。
 しかし、この話はいったい、本当なんでしょうか?気になったので、済州郷土飲食保全研究院の梁溶眞(ヤン・ヨンジン)院長に伺ったところ、直接的な因果関係を断定することは難しいながらも、少なくとも、(1)韓国本土で日本の豚骨ラーメンが普及した時期と、済州に来た観光客の間でコギククスの人気が高まった時期は符合する、(2)コギククスを食べた観光客のブログで、豚骨ラーメンの味と似ているという言及が多く見られるのは事実、ということでした。
 まあそれくらい言えるのであれば、「済州と日本のご縁有り」と考えて大丈夫でしょう。ということで、井関至康総領事は、もともとは豚肉メインでスープを取っていた済州のコギククス界において、初めて豚骨スープを取り入れたという、済州市の旧市街のコギククス専門店「コルマク食堂」を訪れました。
 

済州と日本の音楽交流の栄養源にも!?



 今回は、韓国初のアマチュアのみの市民バンド「漢拏ウィンドアンサンブル」の音楽監督として、1993年以来、永年に亘り日本各地の多くの楽団と互いに訪問しながら親善演奏交流会を開いてこられた、金升澤(キム・スンテク)監督がご一緒下さいました。日本と済州の間の音楽を通じた交流に永年貢献された等の功績で、漢拏ウィンドアンサンブルは平成28年度に外務大臣表彰を、また金升澤監督ご自身は平成29年春に旭日双光章を受章しておられます。
 また、この「コルマク食堂」は、金升澤監督にとっても、漢拏ウィンドアンサンブル結成当初、いつもコギククスを食べながら、日本との交流を含めた楽団の活動方針についての議論を重ねた、思い出の場であったとのことです。なんとコギククスは、済州と日本の音楽交流の舞台裏で、その栄養源にもなっていたのでした!
 

豚骨スープ、太麺、分厚い良質の茹で豚(スユク)で楽しむ済州の味


 
「コルマク食堂」のコギククスは、さっぱりとしながらもしっかりとした味の豚骨スープに加え、コギククスとしては太めのしっかりとした麺、麺の上に載っかるスユクが分厚いことも大きな特徴です。
 

 
 他のコギククス屋は、コギククス以外にもいろいろメニューがある場合が多いのですが、このお店は、コギククスとスユクだけ。ということで、出てくるキムチも、豚肉・豚骨スープにぴったりの、魚ベースの出汁でしっかり漬かった深い味わいで、まさに「コギククス専用キムチ」です。


 
 麺の上にも載っていますが、追加でスユクも注文しました。良質の済州産の豚肉を茹でたスユクは、香りも上品で味わいもしっかり。ついつい食べ過ぎてしまいます。
 

訪問関連フォト


△「西帰浦菜の花国際ウォーキング大会」の際も紹介しましたが、豚骨ラーメンの元祖は、福岡県久留米市の「久留米ラーメン」。市内には久留米ラーメンの名店が軒を連ね、JR久留米駅前には「とんこつラーメン発祥の地」のモニュメントが設置されています。
 

△金升澤監督は、音楽を通じた民間レベルの交流と協力が、済州と日本の間の理解を広げるとの信念で、流ちょうな日本語も駆使しつつ、日本の各地方の楽団との親善演奏交流会に向けた調整や予算の手配等を一手に引き受け、永年に亘り精力的に取り組んでこられました。このことは、済州の一般市民である漢拏ウィンドアンサンブルの団員の皆さんにも、日本の多くの地方都市を訪問し、日本を直接体験して理解する貴重な機会となってきたとのことです。ですが、目下のコロナ禍で、日本との交流はおろか、済州での公演さえままならない現状。1日も早く相互交流を再開できる日が来ることが、本当に待ち遠しい限りです。
 

△済州は日本から近いこともあり、日本のテレビ局の旅番組等で紹介される機会も多く、日本の芸能人の皆さんのサインが飾られているお店も時折見かけます。今回、豚つながりということで、済州名物・黒豚の焼肉屋さん「トムベドン」では、こんなサインを見つけました…。
 

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