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~渡航情報(広域情報)~

(件名)誘拐に対する注意喚起

(内容)

1.これまで各国の誘拐事件・誘拐脅威情報については,危険情報及びスポット情報において個別に注意を促してきていますが,近年,テロ組織,一般犯罪組織によるものとを問わず,外国人を標的とした誘拐事件が各国(特に中南米及び中東・北アフリカ地域)で数多く発生しており,特に,日本人が被害者となる誘拐事件も昨年から現在まで次のとおり発生しています。

(1)2007年4月2日,パラグアイにおいて,日本人男女2人が誘拐され,同月10日と20日に1人ずつ解放されるという事件が発生しました。

(2)2007年10月初頭,イラン南東部において旅行中の日本人男性が誘拐され,本年6月14日に無事解放されるという事件が発生しました。

(3)2008年5月7日,イエメン中部マアリブ州の観光地において,日本人女性2人が誘拐される事件が発生しましたが,短時間で無事解放されました。

2.誘拐事件には,被害者を短時間拘束した上で所持金や貴重品を奪ったり,被害者のキャッシュカード等を用いてATMから現金を引き出したりした後解放する「短時間誘拐」から,資産家や企業主等をねらった「身代金目的誘拐」,更には外国人等を誘拐してその国の政府等に対して政治的要求を行う「政治目的誘拐」などがあります。一口に誘拐といってもその形態は幅広く,また,その犯行主体も個人や犯罪組織からテロ組織まで多岐にわたっているため,各国ごとに注意すべき誘拐事件の種類と傾向は異なります。

3.外国人に対する誘拐につき特に注意を要する地域としては,中南米や中東・北アフリカ地域があげられます。中南米については短時間誘拐又は企業家等の富裕層をねらった身代金目的の誘拐事件が多く見られ,中東・北アフリカについては,武装集団による政治目的誘拐が特徴となっています。また,国際的テロ組織又は地元の武装集団による政治目的誘拐については,解決まで時間を要することもあります(例:上記1.(2)のほか,(1)2007年7月19日,アフガニスタンにおいて,韓国人キリスト教関係者23人が誘拐され,殺害された2人を除き,同年8月30日に全員解放された。(2)2008年2月,チュニジアにおいて,観光旅行中のオーストリア人男女2人が誘拐され,「イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ組織」が犯行声明を発出(現在も未解決)。)。

4.海外に渡航・滞在される日本人の方が,誘拐の被害に遭わないようにするためには,各国において過去に起こった誘拐事件の特徴や,犯行主体の動向等を踏まえた安全対策を講じ,最新の政治・社会情勢等に応じて行動する必要があります。また,誘拐事件は,旅行者等を含め誰もが被害に遭う可能性があり,犯行手口も,事前に周到な準備を行って実行されるもののほか,偽の警察官等による偽装検問やタクシーなどを装い犯行に及ぶもの等,様々なものがあることに留意する必要があります。

5.つきましては,これまでに誘拐事件・誘拐脅威情報に関して各国に発出されている危険情報・スポット情報の内容にも留意し,不測の事態に巻き込まれることのないよう,外務省や現地の在外公館より最新の治安関連情報の入手に努めるとともに,「目立たない」,「行動を予知されない」,「用心を怠らない」の誘拐対策の三原則を心掛け,日頃から安全確保には十分注意してください。 また,万一に備え,渡航前には,御家族や職場の知人等との間で連絡先を確認しておいてください。旅行中には,日本の御家族等との間でこまめに連絡を取ることも大切です。

6.なお,誘拐対策の詳細については,外務省海外安全ホームページにおいて,パンフレット「海外旅行のテロ・誘拐対策」,「海外における誘拐対策Q&A」等を掲載しておりますので,併せて御参照ください(http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph.html)。

(問い合わせ先)

外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐に関する問い合わせ)


電話:(代表)03-3580-3311(内線)3678
外務省海外安全相談センター(国別安全情報等)
 

電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902又は2903

外務省 海外安全ホームページ http://www.mofa.go.jp/anzen/
   

http://www.anzen.mofa.go.jp/i/ (携帯電話用)