HOME > What's new > 2013
 
JENESYS2.0 訪日研修団 参加者感想文
  当館では,「21世紀東アジア青少年交流計画(JENESIS 2.0)」の一環として,道内の高校生や大学生を日本に派遣し,日本の教育施設,観光地,産業施設等を見学するとともに,一般家庭にもホームステイし,日本の文化を体験したり学生達と交流するプログラムを実施しています。

  この度,今年4月までに本プログラムに参加した4名の高校生,大学生から感想文が寄せられましたので,以下のとおり掲載します。

  今年も,高校生日本語スピーチ大会や大学生日本語作文コンテスト及び一般公募(但し,高校生,大学生に限る)を適宜行い,本プログラムへの参加者を募集,選抜する予定ですので,ご興味がある方はご応募願います。

  kensyu1  

<中央女子高校2年イ・ヘリム>
 日本は私が一番行ってみたかった国だった。3年前から日本語と日本文化を学び始めたことでより一層行きたくなり,日本に対しては好奇心と尊敬の心を持っていた。それなりに日本に対して愛着を持っており,原発事故や震災に対する心配なんかなかった。私は個人的に私費で外国に出る機会はなく,さらにパスポートを作ったこともなかった。けれども,偶然知ったこの研修団に応募することになり,諦めかけていた頃に選ばれたという知らせを聞いた。初めて訪れる外国,それも私が一番行ってみたかった日本へ。膨らむ期待を胸に,私は日本行きの飛行機に乗った。

 韓国で学んできた日本がまさに目の前に広がっていた。街に出れば日本語が飛び交い,見慣れない人々は皆日本語を話し,自動車も信号も韓国とは正反対だった。30人の韓国人学生が団体で行動し,会話は韓国語だったため,本当のことを言えば日本に来たという実感はすぐには湧かず,食堂に行っても韓国にある日本食の食堂に来たみたいだった。けれども,研修4日目の1泊2日ホームステイで,ホームステイ先のおとうさんとおかあさんと一緒に温泉に行き,家ではこたつを囲みながら日本語で話をするなかで,日本にいるんだということを本当に実感することができた。

 私がこの研修に来た目的のうちのひとつは,日本で実際に見て,聞いて,感じたことを韓国に帰ってから周りの人たちに伝えることであった。研修を通じて,日本人の市民意識と配慮,礼儀,そして苦難と逆境を乗り越える意志,希望等感じることがとても多く,素晴らしいと思うこともあった。けれど韓国に帰ってみると,自分がまだ幼いからか,感じたことをどういう方法で伝えていけば良いか分からなかった。でも小さなことから少しずつ,日本についていろんな話を周りの人たちに伝えてみようかと思っている。

 今回の研修は,内容のバランスも良く日程も非常に効率的であった。そしてその分,いやそれ以上に研修団員も忘れることはできない。写真が好きで私たちを撮ってくれた先輩も,最後の2日間で互いの距離が縮んだ友人も,私と同じ悩みを抱え一晩中話した先輩もいた。ホテルのルームメイトと夜食を食べたことも,2人して寝過ぎて遅刻したことも,私たちをいつもお世話してくれた先生も,その他全ての出来事が思い出となり記憶に残っている。

 この30人で研修に行けたことに感謝し,私を研修団に選んでくださった領事館と日韓文化交流基金に心から感謝申し上げる。本当に運が味方しているという気分だ。そしてこの機会が懸命に生きていく勇気と理由を与えてくれたようだ。 また行きたい日本・・・そしてもう一度会いたい研修団員のみんな・・・

kensyu3 kensyu4 kensyu5
 
<済州大学校日語日文学科 パク・ソンゴン>
  済州大学日語日文学科 パク・ソンゴン  大学の授業開講とともに始まった忙しい学生生活のなかに閉じこもって私に,まるで砂漠のオアシスのような韓国大学生訪日研修への参加機会がやってきた。日本は韓国と政治・社会・文化的な面で常に深く関わりのある国であり,日本語を学ぶ大学生としてこれまで日本を一度も訪れたことがなかった私には,オアシス以上の心地よさを感じることできる機会であった。

 韓国人が感じる「日本らしさ」はどんなものだろうか?普通に考えると,「日本」といえば桜!寿司!アニメ!がイメージされるのではないかと思う。けれど今回の機会を通じて,「日本らしさ」に対して深く考え,感じながら,さらに魅力的なCOOL JAPANを見つけることができた。

 特にホームステイを通じて,日本の食事に対する礼儀,風呂の文化,伝統料理,伝統舞踊等を体験し,楽しく・面白く・美味しい日本の家庭文化を体験することができた。ホームステイ先はおじいさんとおばあさんが同居している家族だった。二人は私たちを実の息子のように迎えてくださり,滞在中はまるで親戚の家に遊びに来たかのような気楽な感じで過ごせた。コミュニケーションの面でも,考えがうまく伝えられない時は身振り手振りで,日韓両国の考えや意見を交わすことができた。日本人も韓国人と似たところがたくさんあり,違いについても理解できてとても良かった。おじいさんとおばあさんが話してくださった日本の話と親切心は,一人の外国人として大切な思い出になり,忘れることのできない時間となった。こうして思い出すとまた二人に会いたくなる。

 ホームステイで日本の家庭文化を体験したら,日本の大学生との交流で日本の都市の魅力や同年代の学生と,互いの意見や心を通わせ共感することができた。自由に東京を巡りながら,秋葉原,新宿,明治神宮等を訪れ,日本の魅力をたくさん感じることができた。特に街中でコスプレのような派手で個性あるファッションをしている人や渋谷,東京タワー等の洗練された日本の建築物が印象深かった。

 次に感銘を受けたのは日本の治安だ。地域ごとに警察が配置され,常に日本国民に目を向けている点は,韓国人から見ると「日本の警察が常に国民を守っている」と感じ,治安が非常に良いという印象を受けた。また日本人は常に列に並び,街中で肩がぶつかると先に謝るという礼儀は,親切で相手を尊重しているという感じがして印象深かった。

 9泊10日の間,韓国人として感じた日本のCOOLとは何だろうかと考えてみた。もちろん建物や個性ある服,美味しくきれいな食事等,日本のかっこいいところはたくさん思いつく。けれど,最後に考え出たCOOL JAPANは,日本で出会った人々であった。いつも笑顔で私たちを迎えてくださった企業の方々,実の子供のように可愛がってくださったホームステイ先のおじいさんとおばあさん,互いの悩みを話し合った日本の大学生,最初から最後まで研修団のために,責任を持って全日程を見てくださった日韓文化交流基金の方々。皆様からの親切心と互いに経験しながら感じた思い出こそが日本のCOOL,つまり最も日本らしいところではなかったかと考えた。

 初めて訪れた日本は,もう一度訪れて見たいと思わせる日本であった。訪日研修の趣旨は,もう一度行ってみたい日本を感じるのに十分魅力的で面白いプログラムだったと思う。このプログラムに参加させてくださった全ての方々に感謝の言葉を申し上げたい。

kensyu2   kensyu3

<済州大学法学部付属高校2年 コ・ドンホ>
 4月10日から16日までの間,日韓文化交流基金で行われている事業の一つである「韓国高校生訪日研修」で日本へ行ってきました。

  済州から釜山を経由して日本へ向かいましたが,到着した成田空港で到着ゲートを出ると,「ここが日本なのか?」と思うくらい韓国ととても似ていて驚きました。 印象的だったのは,歩道にゴミが無くとてもきれいだったことです。東京で泊まるホテルへバスで移動する間,東京の新しいシンボルであるスカイツリーを見ることができたのですが,夜にはライトアップされてとてもきれいでした。ホテルへ移動した後は日本の伝統的な鍋料理を食べました。韓国のプデチゲと似ていましたが,味は淡泊で魚介類がたくさん入っていたからかすっきりした味でとても良かったです。

  次の日は日韓文化交流基金の事務所を訪れ,基金がどういった団体でどのような活動をしているのか,今後の展望など聞いた後,日本の観光庁の方から日本の観光の現況と東日本大震災以降減少した観光客をもう一度呼び戻すためにどういった努力をしているのかを教えて頂きました。とても勉強になり得るものがたくさんありました。その後は新宿へ移動し,日韓文化交流基金の理事長と外務省からいらした方々と一緒に昼食をとりました。 午後はファンションの街・原宿へ行き,実際に原宿で仕事をしている方々の説明を聞きながら,原宿の「かわいい」文化や原宿の雰囲気を体験しました。夕食ではトンカツを食べ,この日はホテルへ戻りました。

  3日目はまずDeNA株式会社を訪問しました。携帯のアプリケーションを作る小さな会社からスタートし,今では大きな事務所を構えるまでに成長したそうです。ここでは会社がどのように発展し,最近拡大しているモバイル市場でどのような事業をしているのかについて教えてくださいました。その後東京駅へ移動し,新幹線で群馬県へ移動しました。電車内では「駅弁」という,駅ごとにその地域の特産物が入っているお弁当を食べたのですが,とても美味しかったです。群馬県の高崎からはバスに乗り,正林寺と達磨寺に行きました。韓国でも「だるま」で通じる人形の発祥地だと聞いてとても驚きました。視察先では地域ごとに模様が異なるだるま人形が展示されていて面白く,実際にだるまを描く体験もしました。だるまは願いを込めながら片方の目を入れ,その願いが叶ったときにもう片方の目を入れますが,片目を入れるともう一方の目も入れなければという気持ちがとてもしました。

  この日は温泉で有名な伊香保の旅館に泊まりました。韓国ではあまりない露天風呂が入り,田舎なので空の星がよく見え温泉も温かく気分良い思い出になりました。風呂上がりに着る浴衣もとても印象的でした。
  次の日は伊香保温泉街を朝早くから散策しました。温泉の水源地や温泉街を歩きましたが,まるで「千と千尋の神隠し」に出てくるような景観で,そこで食べた温泉まんじゅうはとても美味しかったです。その後,「伊香保おもちゃと人形博物館」を見学しました。日本の古いおもちゃや自動車等がたくさん展示されていて,済州の「木こりと天女」のような雰囲気を感じました。見学後には日本の3大うどんのうちのひとつである水沢うどんを食べました。とてもすっきりした味で3大うどんに選ばれるだけはあるなと思いました。ホームステイに行く前に「匠の里」という村を見学しました。ここは農村だった村を観光の村として,日本人・外国人観光客がたくさん訪れている村だそうです。村はとてもきれいで,日本の魅力が生かされている村だと思いました。ホストファミリーとの対面式は村の会館で行われました。最初はすごく緊張しましたが,ホストファミリーのおじいさんに会ってからは印象もとても良く,家を行く前に村のお祭りに連れて行ってくださり,とても心遣いが細やかな方でした。家ではトンカツを振る舞ってくださり,とても美味しくてもうこれ以上食べれないという程食べました。夕食を済ませてからは,村にある温泉会館へ行きました。そこにも露天風呂があったのでまた露天風呂を満喫し,風呂上がりに飲むコーヒー牛乳も格別でした。翌日,ホストファミリーと別れるときはとても悲しかったです。おじいさんが泣いていて,私も新幹線に乗る前に自然と涙が流れました。

 東京に戻ってからは郁文館高校の訪問し,高校生と一緒に食堂でご飯を食べ,学校体験をしつつ,とても素晴らしく楽しい時間を過ごすことが出来ました。
研修から帰ってきて考えが変わったことも多く,自分の夢に向かって進む力もたくさんもらえました。為になる研修だったのと同時に,もう一度行ってみたいと思う日本でした。
 
<済州観光大学 キム・ヒョンジュ>
  私は3月28日から4月6日までの9日間,「cool japan-日本を心に刻む」韓国大学生訪日研修団の一員として参加し,これまで経験してこなかった様々な体験をして帰ってきました。海外旅行は初めてでしたが,以前から憧れていた日本へ行けるこの研修に参加できるだけでもとても嬉しかったです。

  観光庁の職員の方が,「韓国の訪日旅行者数拡大に向けて」というテーマで,長野コンベンションビューの職員の方が「長野市の魅力に関するブリーフィング」というテーマでしてくださった講義はとても為になり,長野の伝統舞踊である大門踊りや着物,おやき作り等の体験や,日本企業の訪問,長野市長の訪問,外務省訪問等,この機会でなかったら一生できなかったであろうとても素晴らしい経験をすることができました。

  どのプログラムも初めて経験するものばかりでしたが,特に長野でのホームステイ,日本の大学生との交流が印象深かったです。私がお世話になったホストファミリーは80代の老夫婦と聞き,「お年を召した方は韓国人に対して良い印象を持っているだろうか」と少し変な偏見ではない偏見を持っていました。けれどもこの考えは必要なかったと思うほど,温かな迎えから涙の見送りまで,ホームステイのことを考えると今も心が温かくなります。ホストファミリーの家でこたつや畳部屋,お風呂,長野の伝統料理等のひとつひとつが繊細で,私たちのために気遣いや配慮をしてくださるのが目に見えて,とても有り難かったです。

  研修の締めくくりには「cool japan」というテーマで,2日間にわたり日本の大学生との交流がありました。私のグループは自分を含めて韓国人5人と日本人3人で,日本の魅力を探すために電車とタクシーを使って,港町である横浜と伝統が生きる浅草に行きました。この2日間で日本の街や公共交通,食堂やショッピングモール等でも配慮する心や心遣いが素晴らしい日本の姿を見つけることができました。日本は地下鉄内での携帯電話の使用は禁止であり,大声で通話したり携帯テレビの音量を大きくする等,他人に迷惑を掛ける行動は見られなかった。また横断歩道がない道では,韓国の場合は我先に行こうと急ぐ車をよく見かけますが,日本では歩行者優先が一般的で,無理に追い越そうとする車も見かけませんでした。

  独特だと思ったのは,地下鉄のつり革が全体的に設置されていて,優先席の前には他の席のよりも長いつり革があり,捕まりやすいように作られていました。老人や高い所に手が届かない人のためにだろうと思い,韓国にもあれば良いなと思いました。日本らしいものを探してみると,自販機やホームセンター等でいろんなアイデア商品を見つけることができました。自販機は韓国には無いもので,,ラーメンやたばこ,アイスクリームからみそ汁まで自販機で販売しており,さらにタッチスクリーンで操作する最新機種までありとても面白かったです。

  東急ハンズやドンキホーテ,100円ショップ等はいろんな商品が大量に置かれている店で,価格も比較的安いため,買いたい物があるときはとても便利でした。ゴミ箱の横につける枠や押出し式のつまようじ入れ等,普段なら何気なく通り過ぎてしまう物にも少しの関心と努力を傾け,面白さと利便性を加えた物が多かったです。こうした小さいところまで考慮する細やかさが「日本らしさ」だと思いました。

 横浜と浅草へ行ったとき,天気があまり良くありませんでした。雨も降るなかで歩き回った私たちは疲れていました。それにも拘わらず険しい顔ひとつせず,笑顔で私たちを案内してくれた日本の大学生にとても感謝しています。今でも連絡を取りあっており,これからも良い友達でいたいと思います。どこに行っても日本の親切心を見なかったことはなく,これが本当のcool japanであり,韓国人は手本としなければならない点だなと思いました。研修を通じて多くのことを見て,感じて,「日本らしさ」「日本の魅力」を本やメディアではなく,自分自身で直に感じることが出来てとても良かったです。