済州特別自治道案内

2019/6/27
1 一般情報
(1)地理・面積・人口等
 
位  置 朝鮮半島の西南約85km,東経126度 北緯33度に位置する島で,
日本の福岡市とほぼ同緯度
面  積 約1,849㎢(香川県とほぼ同じ)
人  口 692,032人(前年比2%増)
韓国人 607,346人(済州市 501,791人, 西帰浦市 190,241人)
外国人  24,841人(そのうち,日本人は266人)
 (出典:行政案全部の住民登録人口統計及び法務部在留外国人統計_2018年12月基準)
(在留届では、邦人数は434名_2019年5月現在)
 
 
(2)気候

日本とほぼ同じで四季があり、梅雨と台風にも見舞われる。年平均気温は17℃。 海と島中央の韓国最高峰・漢拏(ハルラ)山(1,950m)の影響で、風が強く、天気が変わりやすい。
 
(3)言語

公用語は韓国語。文字はハングルが主で、漢字も一部併用されている。他の地方に比べ独特の方言があり、道民の間で広く使用されているが、道民以外の者との間では標準語が使われている。なお、市内では英語や日本語はほとんど通じないが、ホテルや観光客向けの一部飲食店等では日本語が通じるところもある。
 
(4)略史

・古代は耽羅(タムナ)国といわれる独立国。
・12世紀始め、高麗に編入(耽羅郡)。
・13世紀前半、「耽羅」から「済州」に改称。
・13世紀後半から約100年間、モンゴルの直轄地。
・朝鮮時代は流刑地。
・第2次大戦末期、約7万の日本軍が駐屯し、本土決戦の拠点として要塞化(「決7号作戦」)。
・1948年、済州四・三事件(注)発生。数万人が虐殺(当時の人口:約24万人)。
(注)1947年3月1日、済州島で開催された「3.1独立運動」(1919年)を記念する式典で、警察に よる発砲事件が発生、島民6人が死亡、8人が負傷したことで、島民が抗議のゼネストに突入。その後、米軍政が朝鮮半島本土から警察隊を投入し鎮圧に乗り出した。これに対し、1948年4月3日、半島南部のみの単独政府樹立に反対し武装蜂起した「南朝鮮労働党済州支部」が武力闘争に突入し、討伐隊(政府軍・警察)と対立。7年余り続いた闘争で、数万(推定死者3万人以上)の島民が虐殺されたとされる事件。
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2 済州道の位置づけ
(1)特別自治制度の導入と国際自由都市の造成
済州道は、2006年7月より、「地方分権モデル道」として特別な法的地位を有する「済州特別自治道」として新たな一歩を踏み出した。「済州特別自治道設置及び国際自由都市造成のための特別法」(06年2月公布)は、外交・防衛・司法を除く中央政府の権限を段階的に委譲しつつ、大幅な規制緩和及び重要産業の育成を通じ、香港やシンガポールに匹敵する「国際自由都市」となることを目標とする各種特例を規定している。
 
(2)「国際会議都市」、「世界平和の島」指定と国際会議の誘致
2005年1月、韓国政府は、済州道を「世界平和の島」に、また、2006年9月には「国際会議都市」にそれぞれ指定した。これに伴い、韓国政府は、済州道で各種国際会議及び、首脳会議をはじめとしたハイレベル会議、平和と軍縮問題等に関する国際機関や研究所(4・3平和財団、済州平和研究院、国際研修センター)の設置等を支援しており、各種国際会議の開催数は年々増加傾向にある。
2001年から始まったアジア地域の持続可能な平和と繁栄を目的とした「平和と繁栄のための済州フォーラム」は、2019年で14回目を迎えた。日本からはこれまで、福田元総理、村山元総理、中曽根元総理、海部元総理、鳩山元総理他が同フォーラムに参加してきている。
 
(3)革新都市
2004年、韓国政府は、「国家均衡発展特別法」に基き、首都圏における過密の解消及び国家均衡発展のため、公共機関の地方への移転方針を発表し、済州を始めとする全国11ヵ所の道・市を革新都市として指定した。
2012年12月、国土交通人材開発院の移転を皮切りに、国立気象科学院、韓国情報化振興院、国税公務員教育院、国税庁国税相談センター、国税庁酒類免許支援センター、公務員年金公団、韓国国際交流財団、在外同胞財団などの9公共機関の移転が進み、2018年7月に移転予定の全ての機関が移転を完了した。
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3 経済
(1)農水畜産業及び観光業が主産業
当地の主産業は、ミカン、タチウオ、黒豚に代表される農水畜産業と風光明媚な地の利を生かした観光業が盛んである。
済州道では当地進出企業への優遇策を打ち出し、企業誘致にも注力している。これまでにポータルサイト大手の株式会社ダウムコミュニケーション本社を当地に誘致するといった成果を挙げている。
○産業別就労人口(統計庁)
産業別就業者数及び割合
(2017年末基準)
総就業者数 約374千人(100%)
農業・漁業・畜産業・林業 約55千人(14.7%)
鉱業・製造業 約13千人(3.5%)
SOC・サービス業 約306千人(81.8%)
道内総生産額 約18兆ウォン
(2017年) (全国総生産約1,732兆ウォンの約1%) 
1人当り道内総生産 約2,842万ウォン
(2017年) (全国総生産約3,365万ウォンの約84%) 
  
(2)観光等の発展
ア 観光客数
済州への訪問客数は、1962年からとり始めた統計によれば、1966年に年間10万人、2018年には年間約1,431万人になった。このうち、外国人は約122万人で、対前比0.5%減少。外国人の中で、中国人が最も多く約66万人で、全体の54.4%に達した。2016年は、入島日本人観光客数が最も低い時期であったが、2017年には回復勢へ転換し、2018年には8.6万人を記録し、前年比で56.5%増加した。
イ 観光収入(2018年6月発表、済州観光粗収入推計、済州観光公社)
観光客の増加に伴い、観光収入は2009年に2兆8,283億ウォンだったものが、 2017年には約2倍の5兆5,718億ウォンまで増加。これは2017年の済州地域内総生産額(約18兆億ウォン)の約30%を占めている。
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4 日本との関係
(1)済州出身の在日韓国人
ア 日本書紀に済州の旧名である「耽羅(タムナ)」が22回記述されており、7世紀頃には既に正式な交流があったと見られている。
イ 日本統治時代、済州と大阪間に直航路があったこと等から、在日韓国・朝鮮人のうち約2割が済州道出身者(約8万5千名)と言われており、道民の中には日本に親族を有する者が多い(一説によると約7割)。
ウ 済州4.3事件(1948年)の際に日本に避難し、そのまま永住権を取得して生活するようになった人も多く、特に大阪地域では昔の済州の方言が残っていると言われている。
エ 終戦後、経済的に困難が続いた済州道に対して、在日済州道出身者が寄付等を行い、経済や道民の生活が支えたと言われている。
 
(2)貿易関係(2018年、韓国貿易協会)
ア 輸出総額:182,348千米ドル(前年比で約17.4%増)
   (ア)そのうち対日輸出額:34,322千米ドル(約18%、第2位)
   (イ)主要輸出品目:キャベツ、みかんエキス、ヒジキ等
イ 輸入総額:642,741千米ドル(前年比で約56%増)
 (ア)そのうち対日輸入額:29,173 千米ドル(約4%、第4位)
 (イ)主要輸入品目:基礎化粧品 
 
(3)日本の自治体との交流
ア 済州特別自治道
  ・姉妹都市-青森県(2016年)
  ・友好交流協定-静岡県(2000年)、北海道(2016年) 
  ・日韓海峡知事会議-福岡県、佐賀県、長崎県、山口県(1992年)
韓国側:済州道、釜山広域市、慶尚南道、全羅南道
・島嶼観光政策フォーラム-沖縄県(1997年)
その他ハワイ、バリ、海南島等が参加。
イ 済州市(旧北済州郡を含む)
 ・姉妹都市-和歌山県和歌山市(1987年)、兵庫県三田市(1997年)
 ・友好協力都市-大分県別府市(2003年)、東京都荒川区(2006年)
ウ 西帰浦市(旧南済州郡を含む)
 ・姉妹都市-和歌山県紀の川市(1987年)、佐賀県唐津市(1994 年)、茨城県鹿嶋市(2003年)
 (福岡県宗像市(1991年)) *旧南済州郡当時のもの
エ 平和首長会議(2017年)に加入(広島市・長崎市が共同議長)
  ・162ヶ国・7196ヶ都市(国内12ヶ都市)
 
(4)トレッキングコース
当地出身のジャーナリストである徐明淑済州オルレ理事長が中心となって、当地の自然や風俗を生かしたトレッキングコース「オルレ」(済州の方言で、路地を意味)を開設する運動が始まり、2007年9月に第1コースが開設されて以降、2012年11月までに26個コース(総延長425km)が設けられ、ほぼ海岸沿いに済州島を1周できるようになった。スローライフの流れから、韓国国内で人気が高く、新たな観光資源として注目されている。
また、2011年8月には、九州観光振興機構との間で協定を結び、2012年2月に九州各地にも類似のトレッキングコース「九州オルレ」が開設された(2019年3月現在、22コース開設)。2016年4月からの協議を経て2017年12月に宮城県等との間で協定を結び、2018年10月に気仙沼・唐桑地域と奥松島地域に宮城オルレコースを開設。
 
(5)在留邦人及び日本企業
ア 在留邦人数
済州の在留邦人数は434人(令和元年5月現在)であり、近年若干の増加傾向にある。道庁などが所在する済州市にその約80%が居住している。
イ 日本企業数の動向
済州の日本企業数は14(令和元年5月現在)であり、本邦企業の支店等はなく、全て合弁企業等の現地法人企業。現地法人企業のうち、ホテルなどの宿泊業が全体の約4割を占め、その他製造業やサービス業(旅行代理店等)となっている。
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5 来訪時の注意点等
(1) 韓国への入国査証・再入国
ア 観光等による短期滞在
韓国政府は、日韓両国間の人的交流の活性化及び相互主義に基づき2006年3月1日より観光、     商用、会議参加、親族訪問 (但し、就労又は営利活動目的等の入国を除く)の目的によって韓国を訪問する日本人に対し、90日間の査証免除措置を実施している。
イ 観光以外による入国
観光等による短期滞在以外で韓国に入国する際には、原則的に各国に駐在する韓国の在外公館(大使館や総領事館)において事前に査証申請を行わなければならない。
韓国への入国査証や外国人登録、在留資格に関する詳しいことは外国人総合案内センター(電話番号:1345)やホームページで確認。
ウ 長期滞在者による再出入国
韓国において外国人登録を行い、在留期間内に韓国を出国し、再入国をしようとする日本人は、出国前に管轄の出入国管理事務所で再入国許可を取得しなければならない。
詳しい情報は外国人総合案内センター(電話番号:1345)やホームページで確認。
 
(2)服装
気候は日本の東京とほぼ同じであると考えてよいが、海と島中央の漢拏山の影響で風が強く天気が変わりやすいので、夏季以外は適当な上着と雨具を持参するとよい。
 
(3)喫煙
喫煙率は日本とほぼ変わらないが、近年の健康志向とともに禁煙の傾向にある。また、目上の人の前での喫煙はタブーとされているほか、空港やホテル内では喫煙が認められている場所以外は禁煙。
 
(4)保健衛生
風土病と呼ばれるものはなく、予防接種の必要は特にない。
ア 水道水
衛生上飲料水として問題ないが、旅行中は念のためミネラルウォーターを利用したほうがよい。公共の施設等では浄水器が設置されていることも多く、また市中の店でミネラルウォーターも容易に手に入る。
イ 食堂
ホテル、市中レストランの衛生状態は良く、安心して食べられるが、海沿いの「フェッチプ」とよばれる小さな刺身屋や屋台等は、あまり衛生的でないところもあるので注意が必要。夏場に食中毒等が発生することもある。
ウ トイレ
ホテル、空港、観光施設のトイレは衛生的でトイレットペーパー、ペーパータオル等も完備されている。ただし、市内の小さな食堂や市外では衛生的でないところもある。   
 
(5)治安状況
治安は良い方ではあるが、近年、外国人犯罪や景気の悪化による生計型犯罪が増加傾向にあるので注意を要する。
 
(6)交通
ア タクシー
 ・初乗り2,800ウォン(2019年6月現在)。一般的に1日約15万ウォンで貸し切り観光案内をしてくれる。空港から島南部の中文観光団地まではタクシーで約4万ウォン程度。
 ・日本語ができる運転手はあまりいないが、車載電話で無料通訳サービスを受けることができる。
イ バス
 ・市内バス:路線は多い。案内は主に韓国語で利用するのにやや不便。
 ・市外バス:済州市内にバスターミナルがあり、市外の各地へ向けて頻繁に運行されている。
 ・空港バス:空港と済州市内を結ぶバスと、空港と中文観光団地(約50分所要)及び西帰浦(約70    分所要)間を運行するリムジンバスがあり、比較的利用しやすい。
ウ レンタカー
国際免許が必要。ほぼ全て韓国語のカーナビ付き。
 
(7)通信
ア 携帯電話のレンタル(空港内):レンタル時、クレジットカードと身分証明書が必要。
イ 宅配サービス:韓国内・外とも可能。東京までの所要日数は2~3日。
ウ 郵便:日本までの料金は、航空小包(5kg)約28,500ウォン、国際特急(EMS、5kg)約43,000ウォン、      航空郵便(20g)約610ウォン。
 
(8)電圧
電圧は220V(C型、二つの穴の丸プラグ)であり、日本製の電気製品を使用する際は変圧器が必要。
 
(9)クレジットカード
 ほぼ全ての店舗及びホテル、各種施設にて、JCB、VISA、マスター、アメックス等主要カードが使用可能。
 
(10)チップ、サービス
 ホテルではサービス料金10%が別途加算されるので、ベルボーイ、ハウスキーパー等へのチップは必要ない。一般のレストランでもチップの習慣はあまりない。レンタカーに運転手をつけたり、タクシーを借り上げて案内をしてもらったとき等は、運転手に食事代として1万ウォン程度渡す。
 
(11)マナー
 食事の際は、お椀や皿を持ち上げずにテーブルに置いたまま、箸とスプーンを使って食べる。目上の人からお酒を注いでもらう時には、両手で杯を受けるのがマナー。飲酒の際には、相手のグラスが空になるまで注がないことが礼儀。
 
(12)空港利用
(1)出発時は、国内線は1時間前、国際線は2時間前に空港に到着すること推奨されている。
(2)最近、「乗り換え観光外国人査証免除プログラム」の拡大に伴い、中国人観光客が急増し、特に国内線でチェックイン手続き、セキュリティチェック等に時間を要することがあるので、余裕をもって行動されることをおすすめする。
 
(13)税関申告
ア 1万米ドル相当以上の外貨又はウォン貨(現金)の持ち込み
イ ゴルフクラブ、宝石類等の高級品
ウ その他、600米ドル相当以上の品物の搬入
参照:関税庁(電話番号:125)やホームページhttps://www.customs.go.kr (日本語ページあり)
 
(14)両替
韓国ウォン、日本円、米ドル、中国元、ユーロ等の主要通貨は、空港、銀行及びホテルで両替が可能。